サッカーの試合に出れない

サッカーする小学生の多くが『試合に出られない』という悩みに直面します。お子さん自身が悩みを持っていることもありますし、お父さんお母さんが「うちの子はなぜいつも試合に出られないのだろう…」と頭を悩ませていることも多くあります。

全くこの悩みを抱えたことがない方は、よほどサッカーが上手な子とその親くらいではないでしょうか?

今回は、【試合に出れない】という悩みを、サッカー指導者の立場と親の立場からまとめてみました。あなたの抱える試合に出れない問題が少しでも軽くなれば嬉しいです。

『試合に出れない』悩みをサッカー指導者に聞いてみました

なかなか試合に出られないサッカー小学生について、どう思うかサッカー指導者に聞いてみました。

ママ友

試合に出ることは、サッカーの上達の近道だと思うのですが…?

普段の練習を試す場所であるため試合の経験はとても大事です。練習で出来たことを実際のゲームでチャレンジしてみて成功した点、失敗した点をふまえて次の練習に望むことができるからです。また、1回の練習よりも試合を通して得られる経験ははるかに多く試合に出ることは成長にかかせないと思います。

ママ友

試合に出れないと、上達の機会を失うことに繋がるのではないですか?

コーチコーチ

大会や公式戦の試合に出られないのと、練習試合でも試合にあまり出してもらえないというのでは全く意味が異なります。練習試合では、チームとしての結果が求められる場所ではなく、普段の練習を試す場所となりますので多くの子供に出場機会が与えられます。

練習試合は、大会や公式戦などと異なりベンチ入りメンバー、交代人数などのレギュレーションもほとんどないことが多く、より多くの選手に出場機会を与えやすい場所ではあります。

ママ友

練習試合にも出れないこともあるのですが…

コーチコーチ

もちろん、試合に出てもゲームに集中していない、ボールを追わない、奪われてもすぐに奪い返しに行かないなどのプレーが続くようであれば、交代させられるかもしれません

この大きな理由としては、当日の体調不良や疲労等によるものも考えられますし、集中していない状態でゲームに参加した場合は怪我をする可能性があるため、子供を怪我から守るためにも交代させられてしまうことがあるかもしれません。

これに該当せず、練習試合でも試合に出してもらえない状況が続くようであれば、思い切って所属チームを変えてみるのも一つの方法かもしれません

ママ友

公式戦などの試合に出られない場合はどうですか?

コーチコーチ

大会や公式戦で試合に出られない場合を考えて見ましょう。

大会や公式戦では各大会のレギュレーション等によりベンチ入りメンバー、交代人数等に制限がある場合もあります。U-12の場合は基本的には自由交替である場合が多いかと思いますので交代人数に制限がない場合が多いかもしれません。基本的に多くの指導者はできるだけ多くの子供に出場機会を与えたいと考えていると思います。

しかし、難しい場合もあるというのが現状です。何故ならピッチの上には8人しか立たせてあげられないからです。

例えばベンチ入りメンバーが16人居たとします。そうなるとベンチメンバーは8人です。この子たちを全員出そうとするともうお分かりの通りまったく別のチームになってしまうということです。その日の対戦相手やゲームの流れなどにもよりますが、中々この状況で全員を試合に出すことは難しいというの事実です。そのため、多くのチームでは数チームで出場するなどを行っているかと思いますが、その場合でも大会のレギュレーションによっては指導者ライセンス保持者1名、帯同審判員2名が必要な場合が多く複数チームでのエントリーも難しい場合もあります。

『試合に出られない問題』は、指導者によっても考え方が別れる難しい問題のようです。上を目指す子のみが在籍しているJリーグの下部組織や強豪クラブチームと地域のサッカーチームではまた話は変わってくるのかもしれません。
ただ、小学生の育成年齢として考えるならば試合経験はやはり大切な経験です。

  • 練習試合にも全く出られていない状況で、お子さんの志気が下がっているならチームの移籍も視野に入れてもいいのかも
  • 小学生サッカーはピッチに立てるのは8人。公式戦では全員を出せないこともある

試合に出られない小学生ママが思うこと

続いて、息子が試合に出られないという状況を経験した親の立場からお話させていただきます。

親は子供の実力を客観的に見えずらい

親は子供が可愛いものです。サッカーは子供のサポートで親の手も必要なスポーツですから、余計子供のサッカーに親も真剣になってしまいますよね。少なくとも私はそうでした。

ただ、親は我が子フィルターで子供を見てしまうので、子供の良いところに目が行きすぎて本当の実力やチームにおけるバランスなどに目が行きにくくなってしまうことがあります

息子は小学1年生からサッカーを始めたのですが、小学4年生くらいまでは試合に出ている時間は”ほんのちょっと”でした。チーム人数が多かったこともありますが、BチームからAチームに上がってから試合に出られる時間が短くなったように思います。つまり、Bチームでは活躍できるけど、Aチームで活躍できる程の実力はないということです。

客観的に見たら納得できることなのに、日々の息子の頑張っている姿を知っている身からすると「もう少し試合に出して欲しい」と思っていました。

そんな時には、応援スペースから離れ、わが子を目で追うことをやめ、客観的にサッカーを見ることにしていました。すると、息子ばかり目で追っていた時とは違った視点でチームのサッカーを眺めることができ、なぜ息子が試合に出られないのかも何となく理解できるようになっていました。

子供を色眼鏡で見ないというのは、サッカーを応援する親としては大切な要素なのかもしれません。

人と比べず子供自身の成長を考える

試合に出られない時期が長くなると、子供も親もついついチームメイトを比べがちになってしまいます。「あの子はいつもフルタイムで試合に出場しているのに…」「あの子よりも自分の方が上手なのに…」こんな思考になってしまうと子供も親も辛いだけで成長も止まってしまいます

人と比べても良いことがありません。比べるのは常に自分自身です。

そうでないと、チームで一番上手になった時に、それ以上の向上が難しくなってしまうことがあります。人のことではなく、自分のプレーと向き合うことを知った時、おのずと試合に出られる機会も増えているはずです。

私は、スクールや試合の後に、必ずその日のよかったところ改善すべきところの2つを聞くようにしています。別にその内容がどうとかではなく(そもそも私はサッカーのプロでも何でもないですしね)、子供自身に自分のプレーを客観的に見て考えて欲しいので、毎回その質問をしています。

試合に出たいから練習を頑張る

試合に出たかったら練習を頑張るしかありません

練習でチームのコーチや監督に「おっ!?」と思ってもらえて、初めて試合での起用があります。たまたま試合当日に調子が良い選手よりも、練習から頑張っていて目に見えて成長している選手の方が試合に出したくなるかなぁと想像しています。

息子が試合に出れなくて一緒に悩んでいた時、結局結論は練習を頑張って上手になるしかない!見返すしかない!ということでした。少しでも試合に出た時にしっかり結果を残せるように、日々練習あるのみです。

試合に出られないから、練習にも身が入らないということもあるかもしれません。そんな時には、なぜサッカーをやっているのか?を考えさせる良い機会なのかなぁとも思っています。

子供の本当の気持ちに耳を傾ける

お父さんお母さんは子供がサッカーの試合に出られないことを真剣に悩んでいらっしゃっても、当の本人は全く気にしていないこともあります

もっと複雑なのが、親の前では親に合わせて「試合に出たい!」というけれど、本心では別にそうは思っていないこともあるようです。親が熱心になり過ぎてしまい、子供も親に嫌われないように同調してしまうパターンです。

子供が試合に出れなくてもいいと思ってる!」なんて言ったら、思わず「向上心を持て!」と怒鳴ってしまいそうですが、サッカーをしているのは子供自身なんですよね。子供の向上心、そして頑張る力を信じて寄り添っていくのも親だからできることです。

肉体的にも、精神的にも成長スピードはその子によって違います。子供本人が「試合に出れなくて悔しい!」と思った時に、大きな変化があるのではないでしょうか。

まとめ

指導者の立場、親の立場で【子供がサッカーの試合に出られない】ことについての見解は別れます。明らかに上達しているのに試合に出られない時期が続く場合には、チームの移籍も考えてもいいのかもしれません。

子供のサッカーに付き合ってきたからこそ思うことは、親が例え子供にプロサッカー選手になって欲しいと願って頑張ったとしても、子供にその気がなければ何もならないということです。

結局親は子供を信じて待つ事しかできないのかもしれません。親ができる事があるとすれば、子供を上手く誘導してその気にさせる手伝いをするくらいです。

自分で壁を乗り越える強い人間になってもらうための試練だと思い、時にはグッと我慢して見守りたいですね。

子供がサッカーや野球をやっていると、親が大変だと言われます。子供もパパ・ママも楽しくサッカーをするために知っておきたい【子供がサッカーでの親の負担】についてご紹介します。